
幼稚園児や小学生低学年のクラスに挑戦してみたい――そう思っても、なかなか踏み出せない先生は多いもの。
小さい子の集中力は続くのか、きちんと話を聞いてくれるのか、保護者対応はどうすればいいのか…。
やってみたい気持ちはあっても、不安の方が先に立ってしまうのではないでしょうか。
そんな時に大切なのは、年齢で接し方を変えるのではなく、ひとりの人間として向き合うこと。
今回は、小さい子との授業運営や信頼関係づくりのコツについて、ジュニア先生に伺いました。
<登場人物紹介>
ジュニア先生:大阪で2,000人以上の生徒が集まる、開智総合学院の塾長。
舞田 理絵:大阪の大学を卒業後、教育系出版社で編集に携わる。学生時代から個別指導塾で講師を務め、教室長も経験。現場での経験をいかし、教育に関する記事も執筆している。
舞田:
幼稚園児や小学生低学年の生徒のクラスを開校するにあたり、小さい子の対応が難しいと感じられる先生は多いと思います。特に、普段中学生を指導している先生からよくお聞きします。何かアドバイスできることはありますか。
ジュニア先生:
そうですね、年齢に関わらず、人と人、五分と五分で接することがポイントだと思います。小さいからと言って特別扱いはしない。スタッフの先生や中学生達と接する時と、スタンスは同じです。話し方は多少優しくて砕けているかもしれませんが、遠慮なく叱るべきは叱るし、褒めるべきは褒めます。
舞田:
でも、幼い子ですし、ちょっとしたことが嫌になって教室に来なくなる、というようなことはないですか。
ジュニア先生:
それはもちろん、ありますね。そこで大切になってくるのが、保護者の方の協力です。そのためにも普段から送り迎えの保護者の方とは、子供の様子を共有しておきたいですね。時間は2,3分ですが、教室での様子をお話し、ご家庭での様子をお聞きする。毎回ですので保護者との信頼関係も出来てきます。そうすると、保護者の方も理解してくれて、協力してくれます。
舞田:
なるほど。子供の叱り方での注意点はありますか?
ジュニア先生:
叱る時は叱られた理由がわかるように説明します。例えば、落ち着きがなく授業に集中しない子や、他の子に迷惑をかける子がいるとします。彼らとまだ信頼関係ができていない場合は、廊下に呼び出して、目線を合わせて、大人に話すように丁寧に「こういう理由で先生は迷惑だからやめて欲しい」と話します。誠実に話すとわかってくれます。
舞田:
小さい子だけに、理由を説明してもわからないということはないですか。
ジュニア先生:
それはないです。まずは子供扱いせず、人として対等に接することが大切です。分かりやすい言葉を選びますが、大人と接するのも幼稚園児と接するのも、原則同じです。相手が先生に失礼な事を言ったなら、小さい子だから仕方ないではなく、「その言い方は失礼だ。先生は傷つく」ときちんと話す。その代わり、こちらが言い過ぎたと思う時はきちんと謝ります。生徒達は子供扱いをすると子供として振る舞い、人として接すると人として振る舞います。当然、準備や片付けなど身の回りのことも子供扱いせず、自分でさせます。
舞田:
子供扱いしないことが大切なのですね。
ジュニア先生:
そうですね。「先生がなぜ叱ったのか」を理解してもらうだけでなく、「先生はこういうスタンスであなたと接している」ということも理解してもらうイメージですね。
舞田:
なるほど。
ジュニア先生:
年齢がどうではなく、この子は立派な一人の人間だという所からスタートする。それは生徒だけでなく全ての人と信頼関係を築く上で、大切な部分だと思います。洋服で言えば、第一ボタンみたいなもので、ここを掛け違えるとずっと掛け違えたままになります。学齢の低い生徒に対して、「まだ小さいから」とか、「落ち着きがないから」とか、そういう前提ではなく、人として対等に話をします。これは働く仲間に対しても同じで、大学生の非常勤の先生に対しても、「この人はアルバイトだから」というようなスタンスで話すのはだめです。人は自分が軽く見られ、尊厳を軽んじられたと感じた時に、傷つき、やる気を失います。特に小さい子は、そのようなことを本能で敏感に感じ取る気がします。
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