
※舞田メモとは
大阪大学卒業後、個別指導塾を経験。
現在は大手出版社にて勤務する傍ら、教育系の記事執筆などを行っている舞田が、塾業界を学びながら少しずつ掴んできた「現場のリアル」をお届け。
本コーナーでは、舞田先生が塾経営の基礎知識や背景を自分なりにまとめた記録をお届けします。
「正解」より「気づき」を共有する——そんなスタンスで綴っています。
これまで多くの塾経営者の方々とお話をしてきて、共通して耳にするのが「集客が年々難しくなっている」という声です。
以前は紹介だけで自然と生徒が集まっていたのに、最近は紹介の流れが止まってしまった。
チラシを出しても反応が鈍い。
ホームページやSNSも用意してはいるけれど、十分に機能していないように感じる——。
そんな声を聞くたびに、集客というテーマの複雑さを改めて思い知らされます。
塾の魅力や指導の質に問題があるわけではなく、むしろ良い塾ほど「伝えること」に十分な力を割けていないように見えるのです。
今回は、実際に現場の経営者から伺った課題や成功例をもとに、今日から見直せる改善策を5つに絞って整理してみました。
はじめに:塾経営者が抱える「集客」のリアルな悩みとは
これまで複数の経営者の方から集客について話を伺ってきましたが、特によく耳にするのは次のようなものです。
・紹介が止まってしまった
・チラシの反応が以前よりも落ちている
・問い合わせはあるものの、体験や面談から入塾につながらない
・競合の塾が増え、明確な差別化が難しい
共通しているのは、塾としての指導力や実績には自信があるのに、「伝わらない」「選ばれない」という状態に陥っている点です。
よくある集客の落とし穴と原因分析
生徒が集まらない理由を深掘りしていくと、次のような共通パターンに行き着きます。
・月謝が安い、駅から近いなど、条件面しかアピールしていない
・「WebやSNSはうちには必要ない」と思い込んで手をつけていない
・ホームページやInstagramを持ってはいるが、十分に活用できていない
・問い合わせ後の対応が遅れ、連絡が途絶えてしまう
どれも「塾の価値や雰囲気が正しく伝わっていない」ことが背景にあります。
結果として、せっかくの魅力が集客につながらず埋もれてしまっているのです。
では、改善のためにまず何をすべきでしょうか。
私は「問い合わせが入る前に、保護者がどんな行動をしているのか」を知ることが第一歩だと考えています。
その上で、すぐにでも見直せるポイントを5つにまとめてみました。
生徒が塾に問い合わせる前に何が起きているのか
実は問い合わせの前にこんな行動をしている
資料請求や体験授業の連絡が来る前に、保護者はどんな行動をしているのでしょうか。
これを正しくイメージできるかどうかが、集客導線を改善するうえで非常に重要です。
問い合わせが入るまでには、保護者の意思決定はおおよそ次の4つのステップを経ています。
「認知 → 興味・関心 → 比較・検討 → 行動」
1. 存在を知る(認知する)
最初に起こるのは「その塾の存在を知ること」です。
接点がなければ、比較の土俵にすら上がりません。
きっかけはさまざまです。
・ポストに入っていたチラシ
・駅や通学路で見かけた看板
・InstagramやFacebookで偶然流れてきた投稿
・Google検索で表示される情報(「○○中 塾」など)
・保護者同士の会話や口コミ
この段階では「なんとなく見たことがある」という印象を持ってもらえるかどうかが大切です。
2.詳しくみたいと思う(興味・関心をもつ)
次に芽生えるのが、「この塾はうちの子に合うのか?」「どんな塾なのか?」という関心です。
行動の例としては、
・チラシを手元に残す
・SNS投稿をスクリーンショットや保存する
・ホームページやLPを訪問する
・子どもに「この塾知ってる?」と尋ねる
この段階で大切なのは「誰向けの塾か」が一言で伝わることです。
「○○中3年向け」「定期テスト内申アップ専門」「勉強習慣づくり」など対象を明確にすると、自分ごととして受け止めてもらいやすくなります。
3. 他塾との違いを見て比較する(比較・検討)
子供を預ける先を選ぶため、保護者は必ずと言っていいほど複数の塾を比較します。
比較材料としては、
・ホームページの内容(実績・講師・対象学年・料金など)
・SNSの雰囲気(先生や教室の様子、投稿の頻度や信頼性)
・体験授業や説明会の有無
・Googleマップの口コミ
この段階では、他塾との違いを数字や声でどう示せるかが勝負です。
「成果が出ている」「信頼できる」と感じてもらえる情報設計が欠かせません。
4.問い合わせ・体験申込(行動)
比較を終えて「ここが良さそう」と思ったとき、ようやく行動に移ります。
具体的な動線は、
・LINE登録から体験授業の申込フォームへ
・ホームページの問い合わせフォーム
・電話やメール
・InstagramのDM(最近は増えている印象です)
ここで大切なのは「ハードルを下げる工夫」です。
「まずはLINEで情報を受け取れます」「5分で申し込み完了」「今だけ入会金無料」など、気軽に動ける導線を整えておくことが、機会損失を防ぎます。
軽いまとめ
塾への問い合わせは、突然入ってくるものではありません。
保護者や生徒は、少なくともこの4段階の行動を通じて、慎重に比較・判断しています。
つまり問い合わせが入らないというのは、「魅力がない」のではなく「認知」か「興味関心」か「比較検討」のどこかで魅力を伝えきれず、「行動」を起こせていないということです。
集客を強化するには、最終段階だけでなく、この「問い合わせ前のどこにエラーが出ているのか」、全体を見直すことが欠かせません。
今日から見直せる集客改善ポイント5選
上記の流れが分かった上で、実際に見直すべき改善ポイントをご紹介します。
1. ターゲットを明確にする:「誰のための塾か」が一言で伝わるか
よく勘違いされがちですが、「うちは誰でも対応できます」は、実は誰の心にも刺さりません。
「○○中3年生専門」「英検2級まで対応」「定期テスト内申アップ特化」といったように、具体的に“誰向けか”を言い切ることで、選ばれやすくなります。
2. 成果・信頼が伝わる構成にする:「選ばれる理由」は見えているか
塾の強みは“なんとなく”では伝わりません。
・成績アップや合格実績
・通っている生徒の属性(学校・学年など)
・保護者の声(アンケートやLINEコメント)
こうした具体的な数字や証言を整理し、「なぜこの塾が選ばれているのか」が見えるようにしましょう。
3. Instagramなどの更新頻度と内容を見直す
最近の保護者は「この塾大丈夫かな?」と感じたとき、SNSやGoogleマップを必ずチェックしています。
・投稿が数ヶ月止まっている
・宣伝ばかりで中身が薄い
・教室や先生の雰囲気が伝わらない
こうした状態は不安材料になりかねません。
更新は“見られている前提”で、安心感や人柄が伝わるものを心がけましょう。
4.“ 軽い接点 ”を用意する
いきなり体験申込を求めるのはハードルが高いものです。
・LINE登録で体験案内を受け取れる
・保護者向けの無料資料を配布する
・期間限定で入会金を無料にする
こうした「小さな行動」を挟むことで、次のステップにつながりやすくなります。
5. Googleビジネスプロフィール(マップ)の整備と口コミ対応
Googleマップでの検索は年々増えています。
・写真や教室情報を最新に保つ
・イベント告知や日常の様子を定期的に投稿する
・保護者に口コミを依頼し、丁寧に返信する
これだけでも「なんとなく選ばれる塾」に近づいていきます。
まとめ:塾の集客は、価値を伝える「発信力」で決まる
生徒が塾を選ぶプロセスは、以前に比べて格段に情報密度が高くなっています。
小規模の塾でもSNSやHPを活用して成果を上げている例は増えており、もはや「やらないこと」がマイナス要素になる時代です。
選ばれる塾の共通点は、「指導力があること」だけではありません。
その価値を発信し、「きちんと伝えられていること」です。
・誰にとって価値のある塾かを明確にする
・その価値を数字や声で具体的に伝える
・保護者がスムーズに動ける導線を整える
この一連の流れを理解し、仕組み化できれば、集客は安定し、経営者は授業や教室づくりにより集中できます。
“いい塾なのに伝わっていない”という状態から抜け出し、
「選ばれる理由がはっきりしている塾」へと進化していきましょう。
ご相談・資料案内
「自塾の強みがうまく伝わっていない気がする」
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また近年では、低学年・未就学児向けの「キッズコース」を導入する塾も増えています。
入塾年齢を引き下げることで、集客の安定化・口コミ拡大・通塾期間の長期化につながるケースが多いのです。
「なぜキッズコースが生徒集客につながるのか?」
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