
「塾を開きたい!」と思った時、最初にぶつかる大きな壁が“物件探し”。
どの場所で開くのか、家賃はいくらまでなら大丈夫か、どれくらいの広さが必要なのか…。
夢がふくらむ一方で、固定費という現実の重みもズシリとのしかかります。
物件の選び方を誤れば、経営そのものが苦しくなってしまう。
だからこそ、「理想」だけでなく「発展していくイメージ」を持って探すことが欠かせません。
今回は、塾開業の最初の関門ともいえる物件選びについて、ジュニア先生に具体的なポイントを伺いました。
<登場人物紹介>
ジュニア先生:大阪で2,000人以上の生徒が集まる、開智総合学院の塾長。
舞田 理絵:大阪の大学を卒業後、教育系出版社で編集に携わる。学生時代から個別指導塾で講師を務め、教室長も経験。現場での経験をいかし、教育に関する記事も執筆している。
舞田:
教室をオープンする際、不動産探しをするところから行わないといけないこともあると思います。教室を開く場所、物件の探し方など、何か気をつけることはありますか?
ジュニア先生:
何より、固定費を甘くみないことが大切です。起業する方、つまり、初めて自分で商売をする方は特に気をつけておくべきです。
自宅で教室を開くとか、偶然よい物件を所有しているというような特別なことがない限り、普通は家賃を払っていくことになるわけですよね。毎月それなりのお金が出ていくということは、教室運営がそれだけ重たいものになるわけです。
舞田:
なるほど。なるべく安い物件を探すべきということですね。
ジュニア先生:
もちろん安い方がよいわけですが、それより大切なことは、教室を運営して発展していくイメージを持てているかどうか、ですね。
舞田:
具体的に言うと、どういうことでしょう?
ジュニア先生:
「なんとなく教室3つくらいとれる物件がよいかな」というようなあいまいな物件の選び方ではダメで、「3年後にはこれくらいの生徒数でこれだけの授業を置いている、だからこういう物件」というような、数値も含めた感覚を持ちたいですね。
何年か教室を続けて順調に発展した時の「時間割」と「生徒数」をイメージして書きおこしてみるとよいと思います。「中学1年生の授業は週3回あって、生徒は12人」というように、3年後の教室を「手にさわれる状態にする」ことが大切です。
舞田:
なるほど。
ジュニア先生:
もちろん塾を開くわけですから、「近隣の学校にそれなりの生徒数がいるエリア」「(自転車で通う生徒が多そうな場合)駐輪場がある物件」「できれば教室の看板が目立つ物件」など、気にすべきことはたくさん出てきます。
ただ、やっぱり一番重要なのは「家賃が高すぎることによる、いらないリスクを背負い込むことを避ける」ことだと思います。特に、自分一人で運営していく教室、もしくは先生を雇っても数人の非常勤程度で運営していくつもりの場合、あまり大きくなくてもよいので、なるべく安い物件をおすすめします。
舞田:
でも、あまりに狭い物件だと、生徒が増えてきたらすぐに満員になってしまいますよね?
ジュニア先生:
そうです、そこはバランスですね。ただ、私は「手狭になれば、その段階で移転すればよい」と思っています。もちろん再度の物件探しの手間や、移転費用はかかりますが、それでも「家賃をおさえて軽く始められる」ことのメリットは大きいです。
あと、私の経験ですが、教室が生徒増により移転することは、マーケティング上の効果もあるものです。「あの塾は生徒増えたから移転した」という事実が、「あそこは丁寧にみてくれるいい塾だ」という口コミにもつながります。
舞田:
不動産屋さんに相談する時に気をつけるべきことはありますか?
ジュニア先生:
これは自分が住む場所を探す時も一緒ですが、「何が自分のこだわりなのか」を具体的に伝えることが大切ですね。「この中学校のエリア」「駐輪場がある」「近くの団地から1km以内」「面積はこの程度」などです。もちろん、「予算がこれくらい」ということもですね。
舞田:
あんまり色々こだわりを持つと、「そんな物件ない」と言われそうな気もします。
ジュニア先生:
もちろん、そう言われることも多いです。ただ、はっきり自分のこだわりを伝えておくと、不動産屋さんは「予算をいくらにすれば見つかると思う」「エリアが少し離れるがこういう物件がある」というような話をしてくれます。だから、自分が物件のどこにこだわるのかをはっきり伝えることが重要なんです。
舞田:
実際に物件を紹介された後は、どういうことに気をつけるべきでしょう?
ジュニア先生:
当然ですが、まず実際に現地まで連れて行ってもらって、その物件を見ること。できれば、何度か違う時間帯に行って、周囲の様子もつかんでおきたいです。教室を開くのが夜の時間なら、その時間帯に周囲を見ておきましょう。
舞田:
昼と夜で、町の雰囲気が違うこともありますよね。
ジュニア先生:
そうなんです。夜は近くの居酒屋がうるさくて、塾には合わない物件だった、ということもありますからね。物件を2件、3件と見て回るうちに少しずつ、物件の善し悪しと家賃相場が分かるようになります。最初は特に経験値を積むためにたくさんの物件を見るようにしましょう。
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個人のそろばん教室から2,000人の生徒を抱える塾にまで
成長させてきました。
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