いわゆる”グレーゾーン”の子どもの対応/一代で生徒数2000人の塾を作った塾講師が語る

塾を開くと、必ず直面するのが「この子を受け入れていいのだろうか」という悩み。
特に「グレーかもしれない」と感じる生徒さんへの対応は、多くの先生が頭を抱えるデリケートな問題です。
入塾を希望してくれても、授業が成り立たなかったり、他の子に迷惑をかけてしまうのではないか…。
かといって、どう伝えればいいのか分からない。

そんなとき、どんな基準を持ち、どんな言葉をかけるべきなのか。
今回は、実際に数多くのケースに向き合ってきたジュニア先生に、具体的な対応方法を伺いました。

<登場人物紹介>

ジュニア先生:大阪で2,000人以上の生徒が集まる、開智総合学院の塾長。

舞田 理絵:
大阪の大学を卒業後、教育系出版社で編集に携わる。学生時代から個別指導塾で講師を務め、教室長も経験。現場での経験をいかし、教育に関する記事も執筆している。

舞田:
グレーだと思われる子が入塾を希望された時の対応はどうされていますか。悪気がなくても、他の子に迷惑をかけてしまうケースがあるかもしれません。

ジュニア先生:
そうですね。まず当然のことですが、私達は専門家ではありませんから、グレーと感じても絶対に言ってはいけません。

舞田:
なかなかデリケートな問題ですよね。

ジュニア先生:
最近、子供がグレーかもしれないけれど保護者の方の認識がない場合の対応に悩まれる先生は多いですね。これは塾に限らず、学校の先生方からもよくお聞きします。

舞田:
ジュニア先生は、具体的にどのような対応をされていますか?

ジュニア先生:
学齢が低い、小学校低学年くらいまでの場合、うちでは珠算や能力開発クラスになるのですが、必ず親子で体験授業を受けて頂くようにしています。原則、体験授業できちんと座って授業が受けられ、他の子に迷惑をかけない、かつ本人に「通塾したい」という意思があるのなら受け入れます。

学力的に本人がついていくのが厳しいかどうかは、体験を受けていただければ、殆どの保護者の方は理解されます。ただ、認識が薄いなと感じた場合は、「今日の体験授業で●●ができていないので、他の子よりも時間がかかるかもしれません。それでもよろしいですか?」と確認するようにしています。

舞田:
なるほど。

ジュニア先生:
落ち着いて座っていられない場合は、「子供にとって1時間ずっと座っているのは苦痛なものです。落ち着いて座れるようになってからお越しください。」と柔らかくお断りします。また、本人が習いたいという意思がないにも関わらず、親が無理やり通わせようとする場合もあります。その時は、「無理にさせても身に付きません。ご家庭で再度ご検討下さい。」と持ち帰っていただきます。

舞田:
学齢が高い、小学校高学年や中学生はどうされていますか?

ジュニア先生:
集団指導では、以前別のトピックでお話したように「掟」や「入塾テスト」があり、学習を努力することへの覚悟やその時点の学力で判断してお断りするようにしています。原則、このラインをクリアする生徒は受け入れています。

また個別指導では入会の際には、体験授業の時にきちんと授業が受けられるかを確認します。
もし、授業中に立ち歩く、私語があまりに多い、頻繁にトイレに行くなど、授業を落ち着いて受けられる状態ではない場合は、フィードバックの電話や、保護者との入塾説明の際に、体験の様子をお伝えして、入会されても厳しいという旨をお伝えします。

舞田:
できないものはできないとお伝えするのですね。

ジュニア先生:
はい。伸ばすことができないとわかっている生徒を引き受けることは、本人、保護者、教室、誰にとってもプラスになりません。しかしながら、そっけない態度で断ってはいけません。お引き受けする時以上に、お断りする時は、誠意を持ち、申し訳ないという気持ちを添えてお伝えるべきです。

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