〜塾の経営で譲れない3つの事とはなにか?〜
インタビュアー:
「今回、塾のマーケティングと集客についてお話を伺いたいと思います。僕がこちら方面、特にオンライン方面の話が多いですが、高木先生からもよく出てくるのは、マーケティングと言われたらピンと来ないけど、実は勉強会とかオフラインのイベントや遠足なんかが、すごくいいマーケティングになってるとかありますよね。」
高木塾長:
「そうそう、オフラインのイベントは実際に生徒や保護者と直接接することができるので、それが集客につながることが多いんや。特に友達紹介なんかが一番パワフルな集客手段やと思ってる。」
インタビュアー:
「そういうところも含めて、今回ざっくばらんに色々とお聞きしたいと思います。」
高木塾長:
「うん、ええで。」
インタビュアー:
「高木先生はもう塾の経営を20年以上されているんですよね。今まさに考えている塾の経営で大事なこと、特に3つ挙げるとしたら、どんなことがありますか?」
高木塾長:
「まず一番大事なのは「品質」やな。ちゃんとした授業ができること。これは基本中の基本。そして、品質がしっかりしてると、次に大事になってくるのが「マーケティング」。マーケティングは、言うなれば“拡声器”みたいなもんや。いいことをやってても、大きな声で伝えんと誰にも伝わらへん。」
インタビュアー:
「なるほど。」
高木塾長:
「実は僕も最初は、いい授業だけをやってれば生徒が増えると思ってた。でも、どんなにいい授業やってても全然生徒が増えへん時期があって、その時にマーケティングの大切さに気づいたんや。」
インタビュアー:
「そんな時期があったんですね。」
高木塾長:
「そう。いい授業をしても、それを伝えなければ意味がないってことに気づいてから、マーケティングを強化し始めたんや。そして、マーケティングがうまく回り始めると、今度は勢いがついてくる。勢いがつくと、授業の質もさらに良くなって、ますます生徒が増えるという好循環が生まれるんや。」
インタビュアー:
「勢いが大事なんですね。」
高木塾長:
「そうや、勢いがついてくると、いよいよ3つ目に大事な「組織作り」が必要になってくる。勢いがつきすぎると、組織が破綻してしまうことがある。生徒が増えても、情報がシェアできへんとか、各先生で質が変わってきてしまうと、おかしくなってくる。小さな綻びから組織が崩壊する危険があるんです。」
インタビュアー:
「実際に今もテコ入れに入ってる教室はここを強化していますもんね。」
高木塾長:
「そうや。意外とこの組織作りが、教室単位でできてなかったりする。テコ入れはもちろん授業や指導の品質の見直しもあるけど、同時に組織の見直しも進めて、情報の共有やフィードバックの仕組みを作っていく必要がある。品質、マーケティング、そして組織作り、この3つが循環することで、塾はうまく回っていくコツやと思ってます。」
インタビュアー:
「なるほど、その組織作りで一番大事なことはなんですか?」
高木塾長:
「そうそう、その土台にあるのが「コミュニケーション」や。コミュニケーションがないと、組織が活性化せえへん。だからと言って難しいこと、例えば社内報を作るとかそこまで大それたことはしなくても良い。まずはみんなで話すこと、雑談でもいいから話すことが大事なんやと思います。」
インタビュアー:
「コミュニケーションが組織の潤滑剤になっているんですね。」
高木塾長:
「そうや。それがなかなか難しいんやけど大事なんやね。みんなを元気づけること=「エンパワーメント」で、組織が活性化して、さらに品質やマーケティングが進んでいくんや。」
インタビュアー:
「なるほど、先生が教室で実践していることが、そのまま経営の土台になってるんですね。」
高木塾長:
「そう。組織を回転させるには、エンパワーメントが欠かせへん。でもそれは、自分が元気であることが大前提やねん。例えるなら、自分の元気というコップに水が入っていないのに、それを生徒や周りの先生に分けようとしてもうまくいかん。自分を整えること、自分のコップをいっぱいにすることで、余力ができて人を元気づけることができるんやと、僕は考えてます。」
インタビュアー:
「なるほど、先生はそれをまさに今、テコ入れしている教室で伝えているんですね。」
高木塾長:
「そうそう。ほんで、塾の経営で大事なのは、結局何を売ってるかってこと。もちろん塾やから、表面的には『成績の向上』や『受験の合格』なんやけど、実はそれだけやない。ほんまに売ってるのは、子供に元気を与えること、親を元気づけること。それが大事なんや。」
インタビュアー:
「結局、塾って成績を上げるためのものではあるけど、それ以上に元気を与えることが大事なんですね。」
高木塾長:
「そうや。だから、裏で売ってるのは「元気を与えること」なんや。」
インタビュアー:
「なるほど、それが塾の本質なんですね。」
高木塾長:
「そうや。塾は表面的には成績を上げることが目的やけど、ほんまに売ってるのは元気や。子供をエンパワーメントして、親を元気づける。そうすることで自然と子供は勉強にコミットするし、親は子供を信じて積極的に子供と向き合うようになる。それが結果的に子供の成績を上げたり、頭の良い子に育つんやと思います。」