「受験のその向こう」
今回の記事は、合宿の最後に「受験のその向こう」という題名で話をまとめたものを掲載します。不安とはどう向き合う?努力は本当に必要?目標を達成するには?夢って何?など受験生達はもちろん、気持ち新たに頑張ろう!と考えているみんなに是非読んで欲しと思います。
ここにいる多くの人たちが志望校に力が少し足りない人達、あと少し、手をあと少し伸ばさないとダメと言う状況の人達だと思います。それは決してがっかりすることではなく、志望校とは自分の実力よりもレベルが高く、そもそも手を伸ばさないと届かない存在です。その志望校にあと少しで手が届く、そこまでやってきた。だから、まず「ここまで来られたことがすごい」という認識を持って欲しいと思います。
お正月が明けると、いよいよ私立入試まで1か月。空気が一気に張り詰めてきます。この時期になると、きっと、入試当日のことを考えて、合格できるかな?不合格になったらどうしよう。と不安になると思います。
不安はどうやって乗り越える?
ここで不安について話したいと思います。
実は皆さんが感じている不安な状態とは、今自分が立っている場所から、行きたいところまでの差を感じている状態です。でも、逆にこの目標との差を知らないと、現状と目標を埋める方法は考えられません。また、不安だからこそ、この差を埋めてやろうと力が湧いてきます。そのように考えると不安は、嫌なことですが悪いことではありません。不安を感じるのは、真剣に志望校を目指している証でもあります。
不安を感じたら目標との差を埋めるために何をすべきかを書き出してください。テキストの目次を見ながら不安な箇所を書き出してもでもよいでしょう。すると、課題が具体的になります。書き出したら今度は先のことは考えず、粛々と書き出したことを潰していきます。
少し顔を上げて先のことを考えて不安を感じ取る。不安を感じたら不安を埋めるためにすべきことを書き出す。書いたら、今度はひたすら自分の足元だけを見てそれを潰す。周りを見たら自分より成績のいい子がいるかもしれません。自分より余裕のある子がいるかもしれません。でも、周りも見ない。自分の足元、今日すべきことだけに集中して、自分の歩みを進めることに集中する。そのように取り組んでいくと不安はなくなってきます。ダメなのは、不安な気持ちに振り回されて立ち止まることです。不安な気持ちを受け止め、目標との差を理解し、不安を現状との差を埋める力に変えることです。
努力は本当に必要?
それから努力について。努力は本当に必要なのか。努力よりも才能や能力が大切ではないか、
と思うかもしれません。努力して成果につながらない時、私たちは「自分はこれに向いていない」と努力を諦めてしまうことがあります。最近は特に、要領よくという風潮が強く、努力を軽んじている気がします。しかし私は、能力以上に努力が大切だと考えています。私が努力は大切と考える理由は2つあります。
1つは、人間は努力して、もがく時期があるからこそ、自分の能力や適性、また自分の能力の活用の仕方に気づくことができます。皆さんも今受験勉強を頑張っているからこそ、自分の得意・不得意科目や単元をある程度理解できますよね。また、能力は教科だけではなく、過去問を早く解けるけどケアレスミスの多い人もいれば、ゆっくりだけどケアレスミスの少ない人もいる。努力を重ねる上で、自分の特徴を知ることができます。それで今度は、不得意科目や単元を重点的に勉強したり、ケアレスミスの多い人は、問題を解きながら解答が不安な問題に印をつけて見直しを効率よく行ったり,解くのが遅い人は、時間がかかる問題を飛ばして後で考えるなど工夫をするようになります。つまり自分の能力を活用できるようになります。実はこれは大人の仕事も同じで、努力して苦しまないと自分なりのスタンスが身につかず、仕事が面白いと感じることができません。
2つ目はこれがとても大切なことですが、努力している人は人格が高まります。努力をするには自分と向き合い、自分に克たなければなりません。みなさんもそうです。カイチは楽な塾ではありません。宿題も多いし、先生は鬼のように怖いし、12月30日まで合宿するし…。でも、今のみんなはどうですか?凛としたいい顔をしています。充実した顔をしている。実は本当の喜びは、努力の向こうにしかない。社会は今のみんなのような人を求めています。ずる賢い人でも要領の良い人でもありません。努力は人格を高めるのだと知っておいてください。
そして努力しているみんなだから知って欲しい最後のこと。それは夢を持つことです。
目標を達成する方法は・・・
まずは夢に近い目標について。
実は目標を紙に書いている人の達成度が高いことは科学的にわかっています。先生が出会った人たちも、高い成果を出している人たちは間違いなく目標を紙に書いている人達でした。皆さんは、家に帰ったら、「~高校に合格する。」と紙に書いて、机の前に張ってください。張って眺めると何が起きるか。わくわくすると共に不安になる。大丈夫かなと不安になって、すべきことが浮かんできます。そして、それを自分を律して努力して潰してください。そうする合格は近づきます。
実は様々なことへの目標達成はこうやって、誰でもできます。受験が終わったら、どんどん目標を達成して、バリバリ前に進んでください。
目標を夢に変えるには
するとある時、自分の頭の上に大きな「?」が浮かぶようになります。
「いろいろ目標は達成したけど、一体自分は何のために生きてるんだろう?何を大きな目標にして生きればいいのだろう?」
その問いが浮かんで来たら、あなたの目標に「志」(こころざし)を足してあげてください。「志」とは世のため人のためになる気持ちです。
例えば「私は将来パン屋になる」→「私は世界中の人を幸せにするパン屋になる」
目標に志が宿ると、それは夢になります。夢は人生をかけて追いかけるものです。
可能性の塊で素敵な皆さんには、夢を持つ大人になって欲しいと思います。
<塾長 高木秀章>